キッチェ（Kitsch）：松尾貴史・リリパットアーミー・中島らも　：
　　　マニアからは見向きもされず、一方的な熱烈支持を得ているマニアックなカートリッジ。

　　いわくありげで、カート置き場に転がっていた。ひょっとして、これジュエルトーンの初期の作品ではなかろうか。それで、改めて聴いた。
　　東芝、ナガオカの共同開発のウルトラ針をもつカートリッジ。充分な音が出ている。この後、どう発展したのか知りたくなる。

　　ナガオカ　カートリッジ　モデル　：MM-05（coni）　MM-05E（elli）

　←針は、ナガオカ　G針　JN-05E（grip ：紫）

ナガオカ→ジュエルトーン（ナガオカのカートリッジ開発メーカー、独自ブランドになったり、ならなかったり）
エーピス（Ａ’ｐｉｓ。旧コーワ・ＫＯＷＡ・弘和産業）→エクセルのカートリッジを販売していた
ＪＩＣＯ（ジコー。旧スイング・ＳＷＩNG）→あった記憶があるが、不詳。

　　このカートリッジには、ムクダイヤのチップが使われている。
　　なぜ、ムクダイヤ（nude）がいいかと言うと、針先の質量を小さくできる、接合部の接着剤が劣化して針に纏いつくことがない。
　TU-58焼入れアルミカンチレバー・稀土コバルト磁石・0.2mmムクダイヤ　楕円、この仕様はテクニクスの有名なEPC-205に採用された針と同じ。
　　このカートリッジはすでに生産・販売完了になっている。
　　濁りのないピュアな音が出てくる。当時の13,500円也以上の音だと思う。
　　現行品で、ボロンカンチレバー、ラインコンタクト針の高いカートリッジがある。一度は聴いてみたい。そんな気にさせるカートリッジだと思う。

　　テクニクスの交換針は、ナガオカからＯＥＭされていたから、共同開発だったのか。本家のテクニクスがさっさと撤退した後で、奮闘しているんだ。しかし、ナガオカの社史は、レコード針から一旦撤退しているから同罪でもある。
　　新古針がたくさん出回っている。同じプラケース、同じブランドなので、古い・新しいが判りずらいが、次のように見分ける。
　　最初期（70年代）　　　：ケースの中にスポンジが使われている。Ｎを丸で囲った記号（ナガオカ針の略）が入る。
　　ＧＣ針（原音の略）期　：ケースの中に金色の台紙が使われている。
　　バーコード印字が独立している時代：　このころから、比較的新しい生産、それでも90年代だから古い。
　　現在　　　　　　　：90年代以降、コードや品名などとバーコードが一体となった用紙が使われているのが現行品。
　　　　コミュネットなど、オーディオ店からナガオカ針を求めないと、現行品かどうか区別がつかない。